コロンブスは、カナリア諸島を薪や真水を積む最終補給基地として、新大陸発見の航海へ出帆します。西へ西へと海図も定かでない時代、自分の力で天体観測により海の方角を定め、島々の距離を新らに書き加えながら、存在すると伝えられる大きな陸地をめざします。
  
それはどんなに不安な旅だったことでしょう。水に浮かべた羽毛の上の針が一定の方向を差す羅針盤は中国で発明され、この頃の航海には必携の道具でした。果たしてコロンブスの船で、この危うい航海器は完全に機能してくれていたでしょうか。

それでも、船乗りたちは、自分の命をかけることで、必要に迫られるごとに賢くなっていきます。太陽と風、そして星に培われた経験則が、彼らの味方です。

東洋文庫所蔵品

               アヘン戦争(1840-1842年)  

                                  

ようこそ 大航海時代

Киевキエフの大門」
ムソルグスキー

そんな時代の「東方見聞録」です。原本は古イタリア語でマルコ・ポーロの口述筆記でしたが、これは失われています。しかし、コロンブスも所持していたその写本は世界中の言語に翻訳されて160種類以上の異本が存在します。

このような本は、あのバイブル以外には見当たりません。われわれは知らず知らずのうちに、西洋化され、まるでルオーがイコン画にひかれるように西洋文明になじんできました。

高校を卒業してロシア語を学んでみようなどというのは、その所作の典型でしょう。そして40数年が経ち、あっという間の時間でした。時間とは不思議な作用をもたらし、わが敬愛する作家大先生も「すべては時間が解決してくれる」と作家の日記に書いておられます。

ロシア語クラス初会合の余韻はその後、永く残りました。他人の歯の痛みは何年でも我慢できるというのと、けっして同じ時間ではない、それぞれに意味がある、必然に繋がった貴重な時間でした。その必然を、料理包丁でカットして繋ぎ合わせたごとくにしてみたのが、この会合でした。

今回は特別、格別のゲストが参加してくれます。早大在学中に「ミス東京コンテスト」のクイーンに選ばれ、いまは大阪芸術大学の「語り」総合芸術の教授になられた平野啓子さんです。

18番(おはこ)の瀬戸内寂聴作の「しだれ桜」を、六義園のほんもののしだれ桜の前で披露してくれます。



 幹事    加茂幸助 固武葉子 岡田誠太郎
                   

六義園 しだれ桜 平野啓子さん 
   語りの世界
      瀬戸内寂聴 「しだれ桜」
~さわり~



東洋文庫ミュージアム
       東方見聞録
アヘン戦争図など所蔵


豊富なコレクションを展示する東洋文庫ミュージアムは、「モリソン書庫」「国宝の間」など5つの展示室から構成されています。 ミュージアムを入ってすぐに「オリエントホール」があり、ここでは東洋文庫の歴史と蔵書の概要について紹介。二階にあがると、約2万4千冊の本が並ぶ「モリソン書庫」です。東洋文庫の白眉・モリソン文庫は、オーストラリア生まれのジャーナリスト、ジョージ・アーネスト・モリソンが北京駐在中に収集した中国を中心とする極東諸国関係の欧文書籍です。現在の東洋文庫の基礎となっています。まるで本が押し寄せてくるかのような書架の風景に、思わず息を呑んでしまうことでしょう (pronweb watchから)



イタリアンレストラン「REST」
(午後1時30分から予約・平野さん参加) 


  ランチパーティ・プラン(
@3300円×12

   チョイス=赤・白ワイン、生ビール
   春野菜の前菜
   いろどりパスタ、メインディッシュ
   デザート、コーヒー  

<第3回 1966年入学早大ロシア語クラス同窓会>
        
              タイムスケジュール



       集合 正午 Jr山手線「駒込」駅 改札

平山郁夫 「東方見聞録」
                (個人蔵)