貴婦人と一角獣(: La Dame a la licorne
パリにある大きなつづれ織り(タペストリー)の6枚からなる連作。制作年など不明。
パリで下絵が描かれ、15世紀末(1484年から1500年頃)にフランドルで織られたものとみられる。

ドメニコ・ザンピエーリ(1581- 1641) 「処女と一角獣」 ローマ・ファルネーゼ宮、フレスコ画。

 早稲田大学のわが卒論の作家、Jean Iris Murdoch ジーン・アイリス・マードック
(1919年-1999年)に、「ユニコーン(一角獣)」という小説がある。

 アイルランド出身の英国の哲学者・作家・詩人。「愛する事を教えてくれたあなた。今度は忘れる事を教えて
下さい
」という言葉を残した。
サルトリアンで自由についての論考がある。

処女作となった小説『網のなか Under the Net』は、2001年に米国のモダン・ライブラリー誌による「20世紀
のENGLISH NOVEL100冊」の1つに選ばれた。1987年にOrder of the British Empire(大英帝国勲章)を授与された。

cf. http://blog.goo.ne.jp/old-dreamer/e/b67799fe64fc5e88cc35ff7ea57b5daf

「ユニコーン」邦訳
(1973年、晶文社)

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 ユニコーンのヨーロッパ伝承のひとつは、初期のキリスト教徒達の教本となった『フィシオロゴス』 「自然を知る者、博物学者」)と呼ばれる博物誌である。この書は、動物(空想上の動物を含む)、植物、鉱物を紹介して宗教上、道徳上の教訓が、『旧約聖書』、『新約聖書』からの引用によって表現されているものであり、のちの中世ヨーロッパで広く読まれる『動物寓意譚』の原典になったと言われるものである。原本はギリシア語で書かれ、各章には、まず聖書の言葉が述べられ、その後にその生き物についての自然科学的な解説が続き、最後には道徳的な教えが述べられている。その第22章では以下のように書かれている。

詩篇作家(ダヴィデ)は言う。「主は私の角をモノケロース(一角獣)の角のように高く上げられる(『詩篇』第92章第10節)」と。フィシオロゴス(博物学者)はモノケロースが次のような性質を持つと言う。モノケロースは小さな獣で雄ヤギぐらいだが、途方もない勇気の持ち主であり、非常に力強いため、狩人も近づくことが出来ない。それは頭の真ん中に一本の角を持っている。 さてどうしたらこれを捕まえられるだろうか。美しく装った汚れのない処女を近くに連れて来ると、それは彼女の膝に飛び乗って来る。そこで彼女はそれを飼い馴らし、王たちの宮殿へ連れて行くのである。 この生き物は、わが救世主の姿に引き写すことが出来る。なぜか。私達の父の角がダヴィデの家から蘇り、救いの角となられた(『ルカによる福音書』第1章第69節)。天使の力ずくでは、彼を打ち負かすことは出来なかった(『ペテロの手紙一』第3章第22節)。彼は真実かつ純潔な処女マリアの胎内に宿った(キリストの受肉)。言葉は肉となり、私達の内に宿ったのである(『ヨハネによる福音書』第1章第14節)。--『フィシオロゴス』第22章

『フィシオロゴス』に載っているユニコーンの姿は古典文学の作家達が言うようなものと全く異なり、ウマでもロバでもなく、メガステネスの言うゾウの肢も持っていない。さらに、ユニコーンは処女によってのみ捕まえることが出来るという伝説も生まれた。この伝説の起源は、紀元前2000年頃に古代オリエントで成立したと言われる『ギルガメシュ叙事詩』にあると考えられている。ここに出て来る半獣半人のエンキドゥには一本の角は生えていないが、物語の構造は処女がユニコーンを誘惑する話とよく似ている。エンキドゥは、ウルクの王ギルガメシュの暴虐を鎮めるために神々の命により、女神アヌンナキによって土から作られた。しかし作られたばかりのエンキドゥは、獣達とともに暮らしてばかりいたため、宮仕えの遊女、つまり神聖娼婦が派遣され、彼を誘惑し、六日と七晩の間交わい合い、獣達から引き離し、本来の目的地、王都ウルクへと連れていく。そこでギルガメシュとエンキドゥは激しく戦うが、やがて和解し両者は盟友となる。

                                         (Wikipedia)

一角獣伝説

わが唯一の望み

フランス国立クリュニー中世美術館所蔵 貴婦人と一角獣

The Lady and the Unicorn from the Musee de Cluny, Paris, France

2013年4月24日(水)−7月15日(月・祝)国立新美術館
(〒106-8558 東京都港区六本木)

主催 国立新美術館、フランス国立クリュニー中世美術館、NHK、NHKプロモーション、朝日新聞社

後援 外務省、フランス大使館

協力 エールフランス航空