サッチャーは、英国内の失業率があがって、彼女の政策を見直すよう労働党が求めたのに対しーー U-turn if you want to. The lady’s not for turning  引き返したかったら、引き返しなさい。でも私は後戻りはしませんよ、と言ったという。

                by Yukiko letter      

サッチャー女史の葬儀に際して、CNNは反対派のかなり厳しい批判をなぞってコメントしていたが、BBCは聖職者のトップが「きょうは批判すべき日ではない」といった言葉を引用して、自重していたのと好対照を見せていた。

サッチャーが鉄の女といわれ、どのように信念をつらぬいたかを解く重要な鍵は、やはり思想家としてのフリードリヒ・ハイエクの教えによるところが大きいとみられる。

ハイエクは、その主要な論点で、社会主義が構造上、全体主義的な要素を内包して個人の自由を抑制し、レーニンやスターリンが過渡的な段階で誤謬し没落していったのではないと考えている。

社会主義の内包する欠陥は、平等の価値・労働観のもとで、個人の創意努力を圧殺してしまうことで、不可避的にその経済成長がストップして行き詰まり、ナチズムやスターリニズムに至ると説く。

サッチャーは、オックスフォード時代、化学を学びながら、時間を見つけて直接、ハイエクに質問し、自らの疑問を解き、のちに政治家として立つとき自分の経済政策の柱にこの考え方をすえる。

だから、烈しい労働運動や反対派の示唆にも強い信念で臨んだ。

ハイエク的な藤